"自然と共に生きる" 21世紀の暮らし方

JOURNEYTravel Abroad

Editor Topics街を出て、旅にでよう。心華やぐ和の春旅、いざ「界 熱海」へ。

2014.04.13

木々がやわらかく芽吹き、百花繚乱の春がやってきました。“月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也”——の序文から始まる名著『奥の細道』の著者である松尾芭蕉も、「そぞろ神に誘われ浮き足立った」というこの季節。日毎のどけさの増す春の陽気に、「どこか遠くへ…」と想い巡らす方も多いのではないでしょうか?

先日、以前から気になっていた宿の下調べも兼ねて、早春の熱海へ出かけて参りました。

熱海といえば、江戸の昔より、徳川将軍家はもちろん一般庶民にまで広く親しまれた歴史ある温泉街。道後温泉(愛媛県)、有馬温泉(兵庫県)に並ぶ“日本三大古泉”の一つでもあり、名だたる文豪や著名人らに愛されてきた別荘地としても有名です。

そして、市内一円のマンホールにも描かれているように、もう一つの熱海名物といえば“梅”。毎年1月〜3月上旬にかけては、甘い芳香を放つ“梅”と、早咲きで知られる“あたみ桜”があちこちで競い合うように咲き誇り、それは見事な景色が広がるのだとか…。
年明けから続いた寒波に、「全身で春を感じたい! 温泉で身も心もぬくぬくしたい!」と、さっそく訪問を決めたのでした。

恥ずかしながらこれまで伊豆方面に足を延ばしたことのない筆者、「とりあえず宿の予約だけはした」というノープランで臨んだ小旅行でしたが、熱海は本当に最高でした。何がそんなに良かったのか?と言いますと、まず交通の便がすこぶる良い! 都内から新幹線で約50分、車移動でも約120分。つまり1〜2時間あれば熱海に着いてしまうのです。

そして到着早々、筆者を出迎えてくれたのが、ピンク色に染まった“あたみ桜”の並木。満開の桜に心奪われつつ、梅園までテクテク足を延ばすと、そこには一斉に花弁を広げる梅の花…。「この時期に熱海をチョイスした自分、エライ!」と思わずガッツポーズを取ってしまう、そんな絶景にのっけから出会えました。満開の梅と桜を愛でた後は、ほていやの蒸しパン片手に街歩き。老舗干物店が軒を連ねる“干物銀座”でお土産を買い、気の向くままに市内を散策しました。

熱海には『釜つる』や『スコット』といった名店がそこかしこに点在し、『ボンネット』など、純喫茶マニアには堪らないレトロな名店も多くあります。また、温泉どころだけあって、通りに面した共同足湯なども随所に見られ、温泉街ならではの非日常感ただよう町並みにふしぎと心癒されました。
日本有数のダイビングスポットである伊豆半島には、“巨大沈船”や“水中洞窟”といったダイバー向けのポイントもあり、MOA美術館や池田満寿夫記念館など芸術鑑賞ができるアートスポットも揃っています。

しかし今回、衝撃だったのは「熱海が日本一の芸者街である」という事実! 聞くところによると、毎週末には「熱海芸妓見番歌舞練場」で芸者衆が舞い踊り、宿場では、一見さんでも気軽に愉しめるお座敷遊びが繰り広げられているのだとか。このように、新旧の文化がゆるく混在するところもまた、熱海の魅力なのでしょうね。そんなこんなで日暮れまで街を散策し、すっかり熱海のトリコになった筆者が今回、どうしても泊まりたかったのが、『星野リゾート 界 熱海』というお宿。

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日本古来の温泉文化“湯治”の精神をベースに、心尽くしのおもてなしが味わえる「和心地な宿」との評判を聞きチョイスしたのですが、何はともあれ、まず宿の佇まいが美しい!創業160年の老舗旅館でもある『界 熱海』は、季節の歳時を五感で味わえる“和”の本館と、国の有形重要文化財にも登録されているフレンチ・シックな“洋”の別館に分かれていて、その両方で異なる風情を堪能できるという贅沢な空間。筆者は本館で一泊させていただいたのですが、掛け軸や花などの室礼にさりげないこだわりが感じられ、ここに泊まることで「日本間の美しさ」というものを再発見したように思います。

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四季折々に移ろう花鳥風月を体感し、広い海原をゆったりと眺めながら気兼ねなく寛ぐ瞬間は、まさに「至福」の一言。滞在中、付かず離れずの距離を保ち、細やかな気遣いをくださったスタッフさんの仕事ぶりもまた、素晴らしかったです。そして今回、一番楽しみにしていたお風呂は、弱アルカリ性の美人湯としても名高い“伊豆山温泉”の源泉かけ流し! 檜が香る丸太組みの大浴場『走り湯』にゆるゆると浸かってから、建築家・隈研吾氏デザインの露天風呂『古々比の瀧(こごいのゆ)』に移動し、湯殿から見下ろす開放的な景色をじっくりと堪能。

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湯上がりには木漏れ日のさすウッドテラスでソファに埋もれ、ドリンク片手に火照った体をクールダウンしたのですが、この『青海テラス』という休憩所がまたリゾート感満載で、とにかく気持ちがよかったです。

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この日の夕餉は部屋食で、伊勢海老や金目鯛を筆頭に“熱海の旬”がふんだんに盛り込まれた会席は彩りも華やか! ちなみに、別館では“海そのものを味わうフレンチ”というコンセプトで、その日獲れた魚介をベストな調理法で創作する「一期一会のフランス料理」が味わえるようなのですが、筆者の泊まった本館の料理は、素材のもち味を引き出した正統派の和食。少しずついろいろを愉しめるコースは量もほど良く、一品ずつに心が込められ、料理から作り手の想いが伝わる丁寧な仕事に感動してしまいました。

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夕食後は、「金色夜叉でも読むか」と熱海関連の蔵書を閲覧できる『サロン・ド・蓬莱』へ赴くと、サロンの一角で、熱海芸妓さんとのお座敷遊びが楽しめるイベント「界ASOBI」が始まっていました。スタッフさんに誘われるまま人生初の芸者遊びに挑戦! しばらく余興を愉しんだあと、ウッドテラスで夜空を眺め、日付が変わるころに就寝しました。

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翌日は朝風呂に入ってから朝食をとり、前日に気になっていた別館「ヴィラ・デル・ソル」へ。『界 熱海』では本館と別館を自由に行き来できるので、かつて紀州徳川家の私設図書館だったという『サロン・ド・南葵文庫』をチェックアウト前に拝見し、お茶をいただいて帰ろうと思ったのですが、別館は白を基調としたシンプルモダンな内装で、筆者の泊まった本館とは違った趣があり、こちらも美しかったです。

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今回、『界 熱海』に宿泊してみて驚いたのが、館内案内がすべてiPadだったこと。各部屋に設置されたiPadはなんとwifiにも繋がっていて、もちろんネットもサクサク(素晴らしい!)。これは、海外からいらっしゃった旅行者の方にも喜ばれるのではないでしょうか?一泊という短い滞在にも関わらず、さまざまな角度から心満たされた今回の旅。選んだお宿も最高だったですが、実際に泊まってみて、熱海に数ある旅館のなかで『界 熱海』が選ばれる理由、温泉好きな人々に永く愛される理由が分かったような気がします。

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春の熱海は、会場花火大会(4/20)や熱海をどり(4/28・29)をはじめ、イベントも盛り沢山! 4月中旬頃までは桜が、桜のあとには、チューリップ、つつじ、あじさいが続々と開花し、甘夏や温州みかんといった柑橘系の果物狩りも楽しめるので、ぜひ皆さんも訪れてみてはいかがでしょうか?

ちなみに筆者イチオシのお宿『星野リゾート界』では、大人の春旅若者旅プロジェクトといったプランをご用意されているそうなので、気になった方はぜひスタッフさんに相談してみてください。それでは皆様、どうぞ素敵な春旅を!


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【Information】
■名称:星野リゾート 界 熱海
■住所:静岡県熱海市伊豆山750−6
■電話:星野リゾート界予約センター 050-3786-0099(受付時間 8:00〜21:00)
■HP:http://kai-atami.jp/

<アクセス>
JR東海道新幹線または東海道本線「熱海駅」から車で約5分(送迎バスあり。国道135号線沿い)

<パーキング>
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