"自然と共に生きる" 21世紀の暮らし方

LIFEOrganic Style Life

Editor TopicsINTERVIEW with 田辺三千代さん

2015.03.08

 洗練されていて、凛としている人、田辺三千代さん。TAKEO KIKUCHIのプレスチーフとしてデザイナー菊池武夫氏を支えてきた。2015年3月末までTAKEOKIKUCHI原宿の旗艦店のキュレーターを務める。菊池氏とは公私において長い付き合いとなる。

 ファッションの世界で長らく活躍しつつも、携わるお仕事はCAFÉ M(※1999年から経営。2004年に当時のシェフがオーナーとなり、現在は西湖にはない)、m tree、WASARAなどファッションだけにはとどまらない。

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私が田辺さんの存在を知ったのは、その西湖のCAFÉ Mの存在。今や各方面で活躍している方々が伊勢丹で働いていた当時、その伊勢丹メンバーに連れて行ってもらったキャンプがいつも西湖。そしていつも東京に帰る前にCAFÉ Mに寄っていて、ここはとても素敵な方がオーナーなんだと話を聞いていた。
 西湖にまた行きたいなぁと思う度、美しい景色と一緒に思い出したCAFÉ M。その存在が田辺三千代さんのことを知るキッカケ。
 
 今では週末は河口湖、平日は東京、という生活を20年前から続けている田辺さん。そういったライフスタイルはもちろん、CAFÉ MやWASARA、m treeなど幅広いジャンルで、色々な形で自然と繋がるお仕事をしている。

 田辺さんと自然との繋がり、関わり方をインタビューさせて頂いた。
 東京と河口湖を行き来するというライフスタイルが始まったキッカケは、自然の流れだそう。

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「もう20年以上前になると思うんですけど、テニスを始めて、そのテニス仲間が河口湖に住んでいたので河口湖に通うようになったんです。毎週末通うようになり、家を借りたんです。そして後には、その家を購入し6年前には建て替えもしました。ひょんなことから犬を飼うことにもなって。」


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 「ある時に、家の裏に住んでいる友人に誘われて西湖にたまたま行ったんですが、とても静かで美しい場所でした。でも、本当に何も無い所だなぁとも思ったんです。」
 
 しかし、それがカフェを始めたキッカケではない。その時に感じた西湖の景色が後に田辺さんの後押しをすることにはなるが、しばらくは西湖のことは忘れていたとのこと。

「西湖に行った時にカフェをやろう!と思ったわけでは全くなくて。数年経って人生の転機が訪れた時に、頭の中に西湖の美しい景色が急に浮かんだの。本当に突然バッーと。それで、あそこでカフェをやろう!と急に思いたって。」

 数年の間に、田辺さんは河口湖に居を構え、西湖にCAFÉ Mをオープンさせることになる。カフェをやっているからこそ地元の方々との交流も深まり、信頼関係も築かれていったという。ブルーベリーや野菜などを物々交換したり、その地元の方々の存在や交流は田辺さんにとって、とても心強いものとなっている。

 「たった1時間半の距離で、オンオフが自然と切り替わるんです。森の香りや満天の星、四季の移り変わり、そういったことを改めて気付かせくれ、それらを大事にしようと思う。雄大な自然の中に身をおく幸せを実感し、週末に過ごす河口湖での時間は私にとって欠かせないものになっています」

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 しかし田辺さんも一時期は河口湖から足が遠のいている時期もあった。愛犬が他界したことで、思い出がつまった河口湖には泊まることが出来なくなる時期が訪れる。河口湖から足が遠のいたまま2年ほど経ち、仕事でデンマークへ行くことに。帰国後すぐ、河口湖の冬でも快適に過ごせる家に建て替えることを決め、HONKAというフィンランドのログハウスメーカーにお願いして建て替えを。それと同時に、ご縁があって甲斐犬を飼い始めることにもなる。ゴン太くん。   
 田辺さんの人生はこうして流れるように進んでいく。
 
「人生の波が来たら乗る。ただそうしていたら、ここまで来た感じなんです。自分の人生に大波が来た時、“いつでもそれに乗れるだけの準備を日頃からしているかどうか”が大切。」

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 そして、田辺さんはWASARAという紙皿のプロデュースにも関わっていく。WASARAは、竹・さとうきびの搾りかすであるバガスを原料として作られている、環境に配慮して作られた紙皿。また、緒方慎一郎氏による美しいデザインが特徴。
 8年ほど前、色々な人のご縁により、パッケージデザイン会社の社長から、何か新しく企業イメージをアップするブランドを考えて欲しいという相談を受ける。田辺さんはCAFÉ Mやモントークに関わることで、パーティーの企画などもたくさんされていた為、裏方の方の大変さを知っていた。かつ、従来の紙皿のチープさなどにも疑問を感じていた。そこで“リサイクル素材で、かつ素敵なデザインの紙皿”を提案。

「日本は食への美意識はとてもあるのに、従来の紙皿ではお料理が美しく見えないじゃない。それに、まず会社としても、地球環境に優しいという意識を持つべきだとも思ったの。デザインは、ご縁があり緒方さんにお願いできることになり、時間はかかったけれど、とても満足できるものが出来上がったと思います」
 
WASARAは、パリのボン・マルシェでの企画展への参加、また世界中のパーティーでもWASARAが使われるようになり、各方面で注目されている。
 これからは日本でもこういった紙皿が“スタンダード”になっていければ、という願いのもと、WASARAの邁進は続く。

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株式会社WASARA 
URL:www.wasara.jp 
facebook: www.facebook.com/WASARA.official
E-mail:info@wasara.jp

 田辺さんの頭に浮かんだ、リサイクル素材での物作り、環境に優しく、という考えはどこから来たものなのだろうか。

「河口湖という自然の中で暮らす生活からの影響はあります。あとは、祖母・母からの教育がベースになっていると思いますね。人が地球で生活をさせてもらっているのだから、環境に負担をかけないように、と考えるというのは当たり前の事だと思うの。」

 そういった感性が生かされているのが、m tree。

 ユニセックスで木の香りをベースにブレンドしているのが特徴。他で進んでいたプロジェクトが震災によりなくなってしまったところ、ランドスケーププロダクツとそのプロジェクトをそのまま進めていくことになり出来上がったブランド。
「木の香りが気分を落ち着かせてくれるのは、自身の生活で実感していました。そんな時にまたお話を頂いて、木の香りに注目したものを創ることに。根が短い花や草とは違って、木は地底深くに根をはるもの。それってすごい生命力だと思うんです。」

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 中でも田辺さんのおすすめは“ヒバ”のオイル。重たい香りだけれど、心を落ち着かせてくれるそう。

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 このインタビューの日。田辺さんから手作りのリースを頂いた。
散歩していて拾った木・木の実でご自分で作られたもの。箱に入って、さりげなく美しい包装がほどこされていて、とても感動してしまった。今は私の息子が自分の部屋のベッド上に飾っている。

こういった何気なく、気負わず、自然と関わっている姿に、心の豊かさを感じる。
自然!オーガニック!など、強く主張したり、気負って動くのではなく、こうして日常的に気負いなく自然を愛でる姿が大事で、人の心を豊かにしていくのだと思う。

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この日、お仕事への姿勢・楽しみ方・こだわりなどをお聞き出来たのは嬉しく、どのお仕事も常に“自然を大事にする・楽しむ”“己を知る”“裏方さんのことを1番に考える”という田辺さんの中の信念とともに取り組んでいるその姿勢にとても共感し、そして、そういった部分が常にブレないことに驚かされた。
「だって、自然環境を大事にするって当たり前のことじゃない?」と笑顔で普通におっしゃる。こういった姿勢で私も、みんなが、自然と関わっていければと思う。

Realization & Text: Maki Kakimoto http://www.makikakimoto.com

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